沖縄をも奪い取る習近平の野望

台湾

軍事演習とはある意味で軍の士気を高めてそして、実際の作戦の時にどのように動くのかなど非常に重要な部分なんですけども、一方では軍事演習によってその情報が外に漏れてしまうという可能性もあります。
特にその軍事演習の規模が大きければ大きいほど、要は動員する人間も多いわけですから秘密を完全に守るということはなかなか難しいですね。
だから今回中国はナンシー・ペロシ議長の台湾訪問をめぐっての大規模な軍事演習をやって、この大規模な軍事演習はある意味で周辺の国々にとって、特に台湾にとってアメリカにとって日本にとっては非常にいい情報を収集するチャンスでもあるんですね。
ですから、軍事演習は実はもろ刃の剣と言ってもいい戦争と一緒なんですけれども、その意味で今回の軍事演習の中で一体どのような情報を我々がキャッチできるかとその中の一つに非常に重要な情報がありまして、どういう情報かというと中国が台湾周辺の軍事演習を発表したのは8月2日の夜だったんです。
そのときに台湾の周辺に6つの演習区域を設定してこの演習地域にその船も飛行機も中に入らないようにきちんとこの6区域を示したわけですけれども、ところが演習の開始日の8月4日の早朝にその軍事演習の区域を6つから7つに増やしたんですね。
では、なぜ演習の直前に7つ目の演習区域を設定して、急に発表したのか。
いろいろな情報があって今回の演習は終わって3週間ぐらい経っていますがその3週間の中で、もちろん台湾、日本、アメリカがあらゆる方法で情報を集めました。
演習の参加者など10万人以上動員されたわけですから、周辺の兵站関係や周辺の軍人以外の人間も含めると何十万単位の人間が動いているわけですから、ある意味でかなり情報量が多いということですね。
しかし、この7つ目のこの演習区域の設定、そこに一体どういう意味があるのか。
実はその情報によると、演習区域の中の一つに最初から日本の排他的経済水域が入っていたわけですね。
日本のEEZ、そのEEZがその演習の一部に入ってたということになるんですね。
そうするともちろん、この演習地域の設定は最終的に中国の軍事委員会が決めるわけですけれども、その軍事委員会のトップである習近平の了承を得なければこの演習地域の設定ができないわけですね。
そうすると日本のEEZも入っているような演習地域の設定はこれは極めて敏感な設定なんですね。
このような日本をあえて刺激するような行動、あえて国際ルールを違反することをやっていいのか。
こういうことに関しては、普段であれば大体現場にいる人間ほど緊張感を持つわけですね。
つまり軍人、しかも実際日本側と対峙したことのある軍人であればやはりこのことの重大性がよくわかるんですね。
ですから中国の軍がこれじゃまずいんじゃないか、ということであえて演習する直前に、このミサイルを発射する数時間前に7つ目の演習区域を設定したんですね。
この7つ目の演習区域は実は日本のEEZから離れたところで設定したんですね。
ところが、ふたを開けてみると中国のミサイルの発射は、全部で合わせて5発が日本の排他的経済水域に着弾したんですね。
4発は福建省から発射して、台湾の領空を越えて日本のEEZに着弾した。
その内1発は浙江省から台湾の上空を通らずに日本のEEZに着弾したんですね。
全部で5発となった。
ところが、その7つ目の演習区域ではミサイルの着弾はありませんでした。
中国が発射しているミサイルは全部で11発で、その中の5発が日本のEEZに着弾したんですけれども、そうすると、その7つ目の演習区域に
実は何のミサイルの着弾もなくて、あるいは、砲弾の射撃も全くなかったんですね。
つまり、その7つ目の演習区域は設定はしたものの実際は全く演習はしなかった。
だから、この7つ目の演習地域は演習の当日に、軍が急いで設定したんですね。

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