謝長廷大使対談の総括(まとめ)

台湾

藤井:こんにちは。藤井厳喜です。今日も林建良さんと台湾ボイスをお送りいたします。本日、1月25日は謝長廷(しゃちょうてい)台湾大使にスタジオにお越しいただきました。これは林さんにお骨折りいただいた結果です。ありがとうございます。

林:いえいえ。

藤井:以前から大使がお書きになったものを読んだり、若干のお話しは聞いたりしていましたが、今日2時間近くのインタビューを終え、すごい人物だという印象がさらに強くなり、大変勉強させていただきました。

林:謝長廷大使は政治家として地方政治から行政院長まで歴任してきた大物です。大使の政治家人生は台北市の市会議員から始まり、それから国会議員になって、1998年から高尾市の市長を2期も務めています。しかも彼は民進党で高尾市の市長になった最初の人物です。それ以前は国民党政権の市長がずっと居座っていて、高尾市政は腐敗しきっていました。

藤井:あー。なるほど。

林:市の中心には愛河(あいか)が流れています。愛情の愛に河と書きます。名前はいい。しかし見た目は巨大な排水溝のような河川だった。黒くて、臭かった。ところが彼は2期の任期中に絶対に不可能と言われていた愛河の整備を力を注ぎ、きれいな河に変えてしまいました。

藤井:おー。たいしたものだな。

林:彼の2期8年間は物凄く評判が良かったことを覚えています。彼は高尾市の市長に就任する前、実は1996年に最初の総統選挙を戦っています。

藤井:そうでしたよね。

林:日本ではあまり知られていないと思いますが、民進党は1996年の総統選挙で総統候補に彭明敏(ほうめいびん)さん、副総統候補に謝長廷大使を擁立しました。戦った相手は李登輝さんです。

藤井:なるほど。

林:もちろん民進党は負けました。そして彼は2008年に2度目の総統選挙を今度は総統候補という立場で戦っています。相手は馬英九(ばえいきゅう)です。それ以前の8年間で陳水扁(ちんすいへん)政権は腐敗体質がかなり露呈していて、民進党の支持率が低いなかで大使は善戦しています。僕からすれば、よく戦ってくれたと思います。

藤井:なるほど。

林:彼は2回の総統選挙を経験したほか、陳水扁時代には与党の主席と日本の首相に当たる行政院長を歴任しました。彼は地方を知り尽くしています。さらに民進党の結党メンバーの重要人物の1人でもあったということです。それから行政院長を退いた後、蔡英文政権で大使という職に就きました。これほど完璧な経歴を持った政治家はおそらくいないと思います。

藤井:なるほど。

林:日本の政治家にもこれだけの経験者は非常に少ないのではないでしょうか。

藤井:そういう人が大使として来てくれている。日本はかなりラッキーな国だと思いますよ。

林:ラッキーです。

藤井:素晴らしい。

林:ええ。謝長廷大使はある意味で大物中の大物です。それなのに、偉ぶっているような様子は微塵も感じられない。

藤井:大物ぶらないところが大使の偉いところだと思います。

林:はい。

藤井:淡々とお話ししてくださいました。それだけのキャリアを持っている人物となると、だいたいはパワーブローカーとして優れていて、強かな人が多い。その一方でお話しする内容には中身がないことが少なくない。ところが大使の言葉は目に見張るものがありました。あのお年と言ってしまうと失礼かもしれませんが、確信を持っておられる大使に今日は理想を語っていただくことができたと考えています。

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