台湾人は「米台友好」に異論?台湾民意を歪曲して紹介する日本の評論家

台湾

台湾ボイスの皆様こんにちは。林建良でございます。我々は将来についてやっぱりいろいろ知りたいわけです。実は人生経験のある人間であれば、将来のことはケセラセラということなんです。つまりなるようにしかならない。基本的には分からない。それが正しい答えです。それでも将来のことを知りたい。そうなると将来の判断は必ず現在の連続です。ですから現在の事実を把握することによって、将来について判断ができるわけです。それは100%の判断ではないですけれども、一定の判断ができるんです。しかし現在の判断もできないようであれば、将来の判断も間違う可能性があります。ですから台湾の将来を知りたければ、まず台湾の現在、台湾の現状をしっかりと把握することです。今は台湾についての日本の評論がかなり多くなってきました。今まではだいたい非常に表面的な評論しかなかったんですけれども、最近はもうちょっと深く掘るような論評も多くなってきました。これは非常に喜ばしいことです。もちろんその評論は必ずしも全部が正しいとは言えません。全部が台湾の真実とは言えません。大まかに正しければ、僕も読んでいるのですけれども、それについては一々論評はしません。ところが、もし台湾についての論評がかなり事実と反している。例えばこの前の日経の連載の件。あるいはこの評論家が日本の社会に非常に影響力を持っている、ただしその評論自体が間違っているのであれば、やはり台湾ボイスでそれを正す責任があると、僕は思うわけです。

実は4月1日、つい昨日のことですけれども、日本のヤフーである論文が発表されました。この論文も実は僕の台湾にいる友人から送られてきました。その台湾の友人は畏友で、僕のとても尊敬する友達です。その人は非常に見識の高い人間で、かつて李登輝さんからも信頼された人です。彼は台湾在住の日本人で、この文章を読んですぐに僕に送ってきた。自分ではコメントをつけていないけれども、どういう意味かというと「お前、これを読め」ということです。僕はそれを読んでみると、もうタイトルから、これはもう完全に台湾のことについて100%逆のことを言っているわけです。この人が無名であれば、ある程度無視してもいいですけれども、しかしこの人は日本ではある程度有名な人間なので、それなりに影響力も持っている。テレビにも出たりする人間です。やはりこの人の間違った部分は台湾ボイスで正さなければいけないなと思っています。どういう論文かというと、実はこういうタイトルです。馬英九訪中VS蔡英文訪米の中、台湾民意「米台友好は必ずしも台湾にいいわけではない」というタイトルでヤフーで出されている論文です。誰が書いたかというと遠藤誉。筑波大学名誉教授で中国問題グローバル研究所の所長です。彼女は女性で中国生まれで中国育ち。中国語が堪能な方です。4月1日にヤフーで掲載されたこのタイトル自体が非常にびっくりするわけです。ある意味で台湾人は米台友好は必ずしも台湾にとっていいことではないと、米台友好に異論を持っているという意味ですよね。どのような根拠でこのような論文を書いたのでしょう。かなり長い論文です。この冒頭に『台湾の民意は、アメリカの干渉を必ずしも歓迎していないことが判明した。』とあります。もちろん彼女には彼女なりの根拠がある。

彼女の根拠とは何か、それは2023年3月21日に発表した台湾民意基金会の世論調査です。台湾民意基金会は台湾ボイスでもよく紹介していますが、それなりに信用できる調査機構といってもいいです。これは本来の中国語の原文です。『有人說:「不管美國對台灣有多好,都是為自己的利益,對台灣不一定好。」(台湾民意基金会)』遠藤誉はこの中国語の言葉を日本語に翻訳して紹介しました。【「アメリカが台湾に友好的なのは、必ずしも台湾にいいことではない」と思いますか?】と翻訳しています。そうすると結果としては、『「アメリカがどんなに台湾に友好的だと言ったところで、それは全てアメリカ自身の利益のためであって、台湾にとっては必ずしも良いこととは限らない」と思っている人が、全体の約60%を占めている。』そう彼女は紹介しています。そしてこれがこのタイトルに繋がるわけです。このタイトルの根拠はそうなんです。ところがこの世論調査の設問はどのように質問しているかというと、このような中国語です。『有人說:「不管美國對台灣有多好,都是為自己的利益,對台灣不一定好。」(台湾民意基金会)』これは、アメリカが台湾にどんなにいいことをやっても、それは全て自分の利益のためである、台湾にとって必ずしもいいことではない、あるいは台湾に対して必ずしもいいことではないとある人が言っている。ある人、誰かが言っている。それについてあなたはどう思いますか?と聞いている。この質問自体が実は非常に誤解されやすい。よくない。つまり、誰かがそう言っていると言うことであれば、あの人がそう思っていると。あの人がそう思っているということは、つまり、あなたはどう思うかということではなくて、あの人がこう思っている、それはどうですか?と。しかし台湾人は、こういうところで勘違いをしやすいです。ある人がこう思っているということに対しては、いいじゃないかと、あの人がそう思っているのであれば。私がそう思っているわけではない。あの人がこう思っている、あなたはこれについて同意しますかということですけれども、台湾人の性格は、中国人や韓国人とは違って、ある人の考えに一々反論するようなタイプじゃないんです。台湾人は大雑把で、ある意味でルーズです。ああそうですか、ある人がそう思っている、それでいいじゃないかと同意してしまう。あの人の自由でしょ?と思ってしまうということ。つまり「ある人がこう思っている」という質問の設定です。

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