日経の反台湾印象操作「台湾、知られざる素顔」を斬る②

台湾

一流のペテン師であればだいたい話の9割は真実です。1割だけ嘘。しかも最初は全て真実から書き始めます。そうじゃなければみんな最初から警戒するわけです。例えば、「林建良、あんたはチビで不細工、粗野で無教養、いつも不真面目でふざけている。しかも飲兵衛で食いしん坊。いいところが1つもない。でも、あんたが好きだ」と言われれば、こちらは普通舞い上がってしまうわけです。その次は、「ちょっと今困っているから、1万円貸してくれないか」と言われれば、台湾人の男はだいたい「そんなケチなことを言うな、俺はもう10万円出すから持っていけ。返す必要はない」と言うでしょう。台湾人の男は基本的にはそうですけれども、女性はそうじゃない。女性はもっとしっかりしている。これは世界共通です。チビで不細工とか粗野で無教養とか前半は本当です。だからそれを聞いていると、「うん、なるほど。その通りだ」となる。そして最後、それでもあんたが好き!と。最後は嘘ですけれども、前半は全部真実だから、最後は嘘であってもつい本当のことのように聞こえてしまう。しかし日経新聞が書いているものは9割が嘘で1割だけ本当です。真面目な人ですから「嘘をつきなさい」と言われると、真面目に嘘をつこうとしているんですね。真面目に嘘をつくから、こういう信じられないような記事を書くんです。つまり日経新聞社の記者はペテン師の見習いです。まあいずれ一流のペテン師になるかもしれないけれど、ならないかもしれない。この中に9割の嘘、1割の真実。その真実の方も、なんとなく嘘をついているうちに良心が咎めるようになって、不安になって、ぽろっとちょっと真実を出すくらいです。

「迫真―台湾、知られざる素顔」の連載の2回目。この2回目の連載の見出し「世論の隙、中国が突く」はそんなに大した問題ではないです。まあこれだけでは別にいいんじゃないかと思います。ところが中身を読んでみると、もう本当に彼らは印象操作の手口、手腕、手法があまりにもちょっと拙すぎて、ちょっと教えてやろうかと思っちゃうくらいです。ちょっと冒頭を読んでみます。『「2週間後に入隊してもらいます」。1月19日、台湾北部・新北市に住む温天佑(23)』今度は仮名ではなく実名です。『温天佑は、地元区役所からの電話に戸惑った。』戸惑った、困ったと。『18歳以上の男子に課せられる、4カ月間の義務兵役の招集通知だった。』これで戸惑った。そしてその後の表現はどういう表現かと言うと、『「ついに来たか…」。昨年6月に大学を卒業し、居酒屋でアルバイトを続ける平穏な毎日。一気に目が覚める思いがした。「台湾有事に現実味は感じていない。正直、台湾を背負って戦う愛国心もない。」』4か月間の義務兵役の招集は、この書き方から見れば、まるで死刑判決でも言い渡されたような書き方です。ついに来たか。そんなに大げさなことなのか。台湾の若者は、たった4か月間の義務兵役だけでこんなに悲壮感漂うような反応なのか。しかも、この人はまるで台湾の若者の代表であるかのように、昨年6月に大学を卒業して、正職に就かず、居酒屋でアルバイトをして、それが平穏の毎日。まるで台湾の若者はみんなこのようなタイプであるかのようです。実は台湾は昔の兵役は陸軍が2年、海軍と空軍は3年。その時はですね、「ああ来たか? じゃあ今度は兵隊に行くよ」。それだけです。みんな軍に入るのもう当然のように、成人式のように行くだけなんです。心配事はたった1つ。軍隊にいる2年間もしくは3年間に、彼女がとられてしまわないかということだけです。これは本当です。みんな心配している。2年間の間、もちろん休暇はある。月に1回か2回外に出られるんですけれども、そんな長い休暇は取れないですね。その間に、もっと誰か別の人にとられてしまわないかと、それだけ心配しているんですね。それ以外は何の心配もありません。だってみんなやることですから。たったの4か月、サマーキャンプのようなくらいのことで「ついに来たか…」と悲壮感漂う反応をする台湾の若者は僕ははっきり言って見たことがありません。今回は、この前仮名で書いているのはどうかということを言って、今度は実名で書いたようですけれども。この若者は確かに存在していると思います。実名を出しているわけです。しかしこの若者が、『正直、台湾を背負って戦う愛国心もない。』と。そうなると、この台湾の若者は大学を出ても居酒屋でアルバイトだけして、でも軍隊に行くのは嫌だと言う。死刑判決をされたような反応をする。台湾人の青年たちは本当に台湾を背負って戦う愛国心はないのかと。1人の人間を取り上げて、まるで台湾の若者を代表するかのような書き方です。

これは実際、台湾民主基金会のつい最近、2022年12月30日に発表したデータです。「もし中国が台湾に侵攻してきたら、あなたは戦うか、戦わないか」。これは女性も含めた全体の台湾人へのアンケートです。71.9%が「銃を持って戦う」ということ。この時は恐らく年齢別の調査もあったと思いますけれども、なぜか発表はされていません。でも年齢別の発表をした2年前、2020年10月のデータでは、なんと20歳から29歳まで、つまり現に兵役に就く年齢、確実に戦場に出る若者らの回答は、89%が「銃を持って戦う」ということなんです。9割近く銃を持って戦うということ。まあ9割近くというのは100%ではないですから、恐らくこの温天佑という23歳の若者は、この9割の中に入っていない1割の部分の人間です。その1割の部分の人間を取り上げて、あたかも台湾の若者は戦う意志もなければ愛国心もないというような書き方をするのが日経です。印象操作として、この大新聞が1割の人間を取り上げて、9割の人間を無視する。あたかも台湾の全体の若者を代表するような書き方としては、ある程度台湾のことを知る人間であれば、一目見てこれは嘘だと分かります。でもこのペテン師の見習いは、一生懸命嘘をつこうとしているわけです。一生懸命嘘をつくには1割の嘘よりも9割の嘘の方がいいんじゃないかと。できれば100%の嘘の方が完璧じゃないかと思ってるかもしれませんね。でもそれは本当に一流のペテン師ではありません。もうちょっと頑張ってもらわないとね。

登録は簡単3ステップ
過去の配信動画が見放題
最新情報をお届け

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP