パンチの効いた米下院中共委員会公聴会

台湾

日経新聞の「台湾、知られざる素顔」という連載はまさに我々の今までの台湾ボイスの内容を全て否定するような連載でした。しかし、ほぼすぐ直後、2023年2月28日にアメリカの下院の議会は早速台湾ボイスが言っていることは正しいと、我々の主張と全く同じだと証明してくれました。もちろん台湾ボイスという言葉は出していませんが、その公聴会は最初から最後まで見ていると、まさに我々台湾ボイスがこの3年近くずっと主張してきた内容でした。この公聴会、Strategic Competition Between the US and CCPはよく日本のマスコミもこれは中国委員会と、あるいは中国特別委員会と名付けているんですけれども、それは間違っています。たまに僕も中国委員会と言い間違えたりするんですけれども、正しく言えば、アメリカと中国共産党との戦略的競争をする特別委員会です。もし略称を使おうとするならば、それは中国委員会というべきではなく、中共委員会、つまり中国共産党委員会と言うべきです。この委員会の開催は実はアメリカの東部時間、ワシントン時間の2023年2月28日。しかも、この委員会の開催は生中継されています。アメリカの主要テレビ局はほぼ全部中継しているんです。そしてそれを見る人間を狙って、敢えてプライムタイムで中継しています。夜の7時から10時まで。これはまさにアメリカ人はちょうど晩御飯を食べながら、あるいは晩御飯の後で一緒に見る時間帯です。ではアメリカ人が果たしてこういう政治的話題に興味を持つかというと、興味あります。なぜか。

この日はちょうど中国の偵察気球がアメリカのアラスカに入ってから、ちょうど1か月です。この中国の偵察気球事件はアメリカ人にとっては、非常に重大な関心事です。だからその後のいくつかの世論調査でも、アメリカ人は中国のことを非常に脅威だと思っている。そう思うアメリカ人が劇的に増加しているわけです。この公聴会はそれを狙って行われました。公聴会主催の委員会の委員長のマイク・ギャラガーは38歳の若さです。理路整然と、しかもこの3時間にわたる公聴会を非常に上手く仕切っていました。彼は冒頭の挨拶で何を提起したかと言うと、実は中国共産党が我々アメリカを利用してアメリカに反対していると提起しました。つまり中国は既にアメリカの内部に入り込んでアメリカを弱体化しようとしている、あるいはアメリカそのものを崩壊させようとしているという意味です。彼が本当に冒頭で提起した1冊の本、これも台湾ボイスで提起した本ですけれども、中国共産党の中のナンバー4である王滬寧の若い時の著書、America Against America。アメリカがアメリカに反対するという本でした。その内容としては、アメリカ内部のいろいろな弱点を提起して、まさにその後の30数年間は中国共産党はそれを利用してこのアメリカを弱体化しようとしている、アメリカの技術を盗もうとしている、そしてアメリカ人を中国の思想に洗脳しようとしているわけです。この公聴会は実は4人の証人を呼んでいます。まずマット・ポッティンジャーです。トランプ政権の副安全保障補佐官です。そしてもう1人はH.R.マクマスターです。H.R.マクマスターもやはりトランプ政権時代の安全保障補佐官です。この人は将軍で、2人とも軍の出身です。ちなみにこのマイク・ギャラガーも軍の出身です。この3人はそもそも非常に仲がいいですけれども、同じ軍の出身者で中国に対して本当に物凄く危機感を持っている人間です。3人目はトン・イーです。トン・イーは中国出身で今はアメリカに在住しています。中国の人権活動家で中国で牢屋に入れられた経験もあります。そして最後にスコット・ポールです。スコット・ポールはアメリカの製造業連盟の主席です。つまりアメリカの製造業の代表です。全部で公聴会だけでも3時間くらいで、僕も途中までは見ていたんですけれども、もう眠くなっちゃって眠ってしまいました。別に内容がつまらないというわけではなくて、僕はまああまり体力がないですから、3時間もずっと公聴会を見ているとやっぱりくたびれてしまいます。最後の報告とかは全部見たんですけれども、さすがにこの3時間の内容は最初から最後まで台湾ボイスで紹介するのは、ちょっと長すぎます。そのまま紹介しても3時間です。論評やコメントを加えると、その3倍くらいの時間になってしまうわけです。だからその中の一番のポイントの部分を皆さんに紹介しようかなと考えています。

まず一番最初の発言者はこのマット(マシュー)・ポッティンジャーです。このポッティンジャーはどんな発言をしたか。実は自分の発言をする前に3分間の動画を国会で放映させました。つまり全国テレビ中継でしょう。ですから全てのアメリカの家庭でも見られるようになっているわけです。その3分間の動画の主役は全部習近平です。あのお腹のでかい習近平です。その動画の中でポッティンジャーが提起したのは、我々は中国に対して3つの神話を持っているといこと。それは神話だから本当のことではない。しかしアメリカ人はその神話を本当と思い込んでいる。一番最初の神話は中国共産党は所詮看板だけで本当は共産主義じゃない、本当は資本主義だと。ほら、見れば分かるでしょう。現代的な街並みとか、みんな商売やってるし、どう見てもこれは資本主義です。共産党の看板を掲げてる資本主義です。しかしそれは嘘です。神話です。実際はそうじゃない。ポッティンジャーがその映像の中で示しているのは、実際2021年に習近平は政治局員を率いて、もう一度共産主義に忠誠を誓うように宣誓させました。これはちょっとクエスチョンですけれども。一クリスチャンから見れば、ちょっとおかしいと思うんです。なぜおかしいと思うのか。誓うというのは1回だけでいいんです。誓うというのは何々との約束です。誓う、宣誓を2回やると、1回目の宣誓はどうだったのか。1回目の宣誓は契約のように期限切れ。またもう1回宣誓しなければいけないということです。期限切れのある宣誓、期限切れのある誓いは誓いじゃないです。契約です。だからクリスチャンであれば、一度洗礼を受けた、神様と約束した。でもこの神様との約束の賞味期限は3年だけ。3年後にはもう1度洗礼を受けなければいけないということであれば、大した約束ではありません。本物の約束、本物の宣誓というのは1回だけでいいんです。しかし習近平は1回だけでは不十分だとしました。1回、2回、3回!だから今日の誓いは明日で期限切れ。そしてもう1回、何回もやならければいけない。安っぽい誓いです。でもその安っぽい宣誓は、習近平からすれば「俺は本気だ」ということなんですけれども。2013年1月5日のこの内部会議で、このポッティンジャーは、この映像を放映させたわけです。中国共産党の政治局の内部会議の中で、習近平は何を言ったかというと、「資本主義は必ず失敗する、そして社会主義は必ず勝利する」。彼の言っている社会主義というのは共産主義です。だからこれは西側から見て、「共産主義は所詮看板だけ、実際は資本主義」と思うのは神話です。しかし習近平は金が欲しくないのかと。金は欲しい。だから彼ら権力者としては、資本主義の部分は自分だけにしか適用しない。一般庶民はやっぱり共産主義でやっていかなければいけない。北朝鮮を見れば分かります。自分だけいい思いをする。ですから独裁者、あるいは独裁専制の国であればあるほど、共産主義は独裁政権にとって統治しやすい社会政治制度。これを守りたがるわけです。これが1点目の神話。

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