日経の反台湾印象操作「台湾、知られざる素顔」を斬る④

台湾

もし人間はどんなに素晴らしい学歴を持っていても、あるいはどんなに社会的地位があっても、品格がなければ、大した人間ではありません。企業も組織も同じです。しかし品格とは一言で言えばいったいどういうものかと言うのはなかなか難しいですね。品格というのはいろいろな要素がある。僕なりに考えると、品格に重要な要素はおそらく2つあります。1つは誠実です。もう1つは勇気です。台湾人は親日国家である。台湾人の親日の原点とは何か。実は尊敬です。何に対する尊敬なのか。日本の偉い人間に対する尊敬なのか。そうではありません。日本そのものの品格に対する尊敬があったからです。そしてその中で一番重要な要素はやっぱり誠実さと勇気です。ではこの勇気の一番重要かつ難しい部分とは何か。それは自分の非を認めることです。勇気のある人間でなければ、なかなか自分の非を認められません。優しさもそうです。本当に強い人間じゃなければ、本物の優しさを持たないわけです。勇気もそうです。人間というのは過ちを犯すものです。社会にしても企業にしてもそうです。誤ってしまったなら、素直に非を認める。その非を認めるというのは素直さからだけではありません。実は非を認めるということは、かなりの勇気が必要です。昔の侍が自分で誤ったことをした場合の、一番厳しい制裁とは何か。それは切腹です。その勇気があるからこそ潔さがあるんです。その潔さがあるから、切腹という非を認める儀式を取るわけです。台湾人からすれば日本人は全員侍の子孫だと思っているわけですから、その原点にあるのはやはり日本人の品格に対する尊敬があったんです。ではその観点から見れば、自分に確かに非があったと、それを認めざるを得ないとしても、最後の最後までもがくという様子であれば、極めて醜い。やはり勇気のある人間あるいは組織ではないですね。これは一番最初に紹介した日経のシリーズです。「台湾、知られざる素顔」というシリーズは、「それでも中国が好きだ」と見出しをつけて報じた。これが本物の新聞です。しかしいろいろ批判されると、今度は日経が「お知らせ」というのを出しました。「迫真 台湾、知られざる素顔」と出して、批判されると、小さいお知らせを出したんです。このお知らせはそんなに長い内容でありませんので、そのまま読みます。
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<お知らせ>
2月28日付「迫真 台湾、知られざる素顔1」の記事中のコメントは、取材対象者の見解や意見を紹介したものであり、日本経済新聞社としての見解を示したものではありません。混乱を招いたことは遺憾です。公平性に配慮した報道に努めて参ります。
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これは普通の人間に喩えれば、大声で巷で「あいつの家は9割腐っているよと誰かが言っている」と、マイクを使って街宣車を使ってどんどん宣伝して、今度抗議されると小さな声で「いや、あれは俺の見解ではありません。誰かが言っているだけ」。そのような人間は果たして品格のある人間なのか。まあその判断は皆さんにお任せします。

では今日の本題に入ります。この連載は全部で4回ですけれども、その4回の連載の最後の1回とは何か。見出しは「祖父継ぐプリンス 登竜門に」。これは誰の紹介か、この写真の人物とは誰か。これは台北市長である蔣万安です。蔣万安は「祖父継ぐプリンス」。祖父とは誰か。祖父とは蔣経国と言っているわけです。蔣経国とは蔣介石の息子。つまりこの人は蔣介石の曾孫であると、この見出しは強調しているわけです。この4回目の連載は、僕から見れば、1回目と2回目の連載はペテン師の見習い程度のもので、3回目からちょっと腕が段々上がってきたような感じです。4回目はもう本物のペテン師に近づいているような書き方です。やはりこの担当した記者の中村裕と龍元秀明は本物のペテン師になる素質を持っています。なぜそこまで言えるかというと、この記事はたとえ台湾ボイスの会員だとしても、ここがおかしいとか、間違っているとか、なかなか言えないようなものです。台湾にある程度の知識を持った人間でも、これは明らかに違うんじゃないかと、明らかに嘘だと、問題点を指摘できる人間はそれほどいないと思います。だから日経新聞はペテン師の卵から本物のペテン師の一歩手前まで、素晴らしい人材が揃っているということでしょう。この記事は大まかに言えば3部構成になっている。3つの重要な部分があります。1つは、蔣万安が蔣介石の曾孫である血筋を強調している部分です。記事の3分の2はそればかり強調しています。2番目の部分は、蔣介石一族の悲願とはやっぱり中国との統一なんだということ。そしてこの蔣万安はその人たちの継承者である。つまりこの「祖父継ぐプリンス」ですから。3番目に強調したいのは、台湾はこれから中国寄りになっていくという、つまりこれから台湾は中国と一緒になるよという、印象操作です。なぜ、台湾に多少の知識がある人間でも反論できないかというと、これはもはや公開された事実によってだけでは判断できないわけです。このことは最初から嘘ですけれども、例えば大手のマスコミ、新聞テレビの報道から見れば、それが嘘であるということを見破ることはできません。これはこの家族のプライベートにまで踏み込まなければ分かりません。しかしそのプライベートの部分にはいろいろなスキャンダルがあるのですから、そのスキャンダルは主流媒体には取り上げられないという部分もあります。普通の場合、本来こういうスキャンダルについてここで言及することもちょっとできないと思うのですけれども、しかし一政治家、しかも将来台湾に物凄く影響力を持つ政治家であれば、そのスキャンダルの部分もある程度分からないと、これがなぜ嘘なのか分かりません。

一番最初の嘘とは何か。「祖父継ぐ」というところから嘘です。つまりこの人は本当に蔣介石の曾孫なのか。あるいは蔣経国の孫なのか。このスキャンダルはまずこの人の祖父、おばあちゃんの代まで遡って探求しなければいけません。この人のおばあちゃんとは誰か。この人の本当のおばあちゃんは章亜若という女性です。この女性はかなり自由奔放な女性で、愛人がたくさんいる女性です。まあそれなりの美人です。この人が複数の愛人を持っていて、権力者だけでも少なくとも3人。その3人の愛人の1人は蔣経国です。つまり蔣介石の息子です。当時は中国にいた時代です。ある日、彼女の愛人の1人に郭という人がいました。ちなみに彼女の愛人はみんな権力者です。しかし一番権力を持っていた人間は蔣経国です。つまり蔣経国が一番怖いということで。そして彼女から愛人の1人、郭という人間に、妊娠したと伝えた。そうするとその郭という人間は、いったい誰の子かということで、この章亜若は「あんたの子だよ」と。その時、郭という人間は怖くなった。なぜかというと、蔣経国の愛人を妊娠させたということで、これ自体が怖いわけです。蔣経国にばれてしまえば自分の命がないかもしれない。だから彼女に、対外的に絶対に俺の子と言ってはいけない、蔣経国の子だと言いなさい、と。これは後にその郭という人の息子さんの書いた父親の伝記にちゃんと記されています。そしてなんとその後、1942年の3月1日に彼女が双子を生みました。この2人とは章孝慈と章孝厳です。章孝厳はつまり蔣万安のお父さんですね。章亜若はこの双子を生んだ後に、たった5か月後に毒殺されてしまいました。誰に毒殺されたのかはちょっと定かではありませんけれど、一説によれば蔣介石の命令で毒殺されたという話もあれば、蔣経国本人が誰かに命令して毒殺させたという説もあります。それは1942年。後に国民党は台湾に逃げました。章亜若は亡くなったんですから、この双子を自分の弟の章浩若に託しました。その章浩若と妻の紀琛が台湾でこの2人を育てたわけです。だから戸籍謄本でも章浩若と紀琛が父親と母親になっているわけです。この章孝慈は1994年に亡くなりましたが、その前から章孝厳は「我々は蔣家の一員だ」と主張していた。しかしこの章孝慈は苗字を変えることは頑として死ぬまで拒否しました。その彼の子供たちも苗字をこの文章の章から蔣に変えることについて、章孝厳を物凄く批判しました。そしてこの章孝厳の息子が今回台北市長になった蔣万安という人間です。

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