安倍晋三のパンチ

台湾

台湾ボイスの皆様、こんにちは、林建良でございます。中央公論社は2月8日に『安倍晋三回顧録』を発売しました。この書籍は即座にベストセラーとなり、世界中から大きな注目を浴びています。その理由は納得です。安倍氏は8年間の首相職を務めたため、他の人が知り得ない情報を多く持っていることでしょう。この回顧録は政治関係者や学者にとって非常に重要な研究資料となるでしょう。ある意味で貴重な歴史文献となると思います。個人的には、特に政治の内幕や政治問題に関する部分に興味があります。そして、安倍氏が言及した各国の指導者たちにも興味があります。例えば、トランプ大統領やオバマ大統領との比較や、習近平やプーチン大統領との関係などです。台湾人として特に関心があるのは、中国の指導者と台湾の指導者の比較です。安倍氏は習近平について非常に興味深い発言をしています。恐らく、彼は中国の指導者はつまらないと考えているのでしょう。もちろん、彼は直接「つまらない」とは言っていませんが、以下のようなことを述べています。「中国の指導者と打ち解けて話すのは私には無理です」と。つまり、中国の指導者は一種の仮面をかぶっているのです。どの場面でも、人々と話す際には原稿を用意し、それに従って話すのです。

しかし、習近平は実際には原稿通りに話さない場面があるということもあります。例えば2018年のある時、習近平はおそらく政敵を倒し、その権力を脅かす存在がなくなり、少し余裕ができたため、原稿通りに話さなくても良くなったということです。この時、習近平は「もし私がアメリカに生まれていたら、アメリカの共産党には入らなかっただろう。民主党か共和党に入党していただろう」と述べたと安倍晋三は解釈しています。安倍氏によれば、習近平は思想信条ではなく、政治権力を掌握するために共産党に入ったということになります。つまり、彼は強烈なリアリストであると安倍氏は言っています。しかし、習近平にとってはそれは面白くない発言です。つまり、彼が共産党に入ったのは権力のためであって、共産主義のためではないとされてしまうからです。しかし習近平にとっては、自分が共産主義を信奉する者であるからこそ、共産党に入党したというのが真実です。実際、共産党に入党する際には宣誓文があります。その中には「私は共産主義のために一生奮闘する」という文が含まれています。つまり、習近平は共産主義を守るために共産党に入党したのです。しかし、権力者である彼らはおそらく、この宣誓文を信じていないでしょう。彼ら自身が信じていないのです。しかし、底辺の中国人に信じ込ませているのです。

中国共産党の最高指導原則の中には、「2つの確立」というものがあります。この「2つの確立」とは、まず第一に、習近平が中国共産党の核心であり、最も重要な存在であることを意味します。そして、第二に、習近平の思想が共産党の指導的地位にあることを表しています。つまり、習近平思想は共産党の中で最も重要な思想であり、彼自身は共産主義の継承者であるとされています。しかし、実際には彼が共産党に入党したのは思想信条のためではなく、権力を握るためだと言われています。彼自身が共産主義の教祖であるとされているにもかかわらず、「共産党に入る必要はない、共和党や民主党に入ってもいい」と言ったことがあるとされています。彼にとっては思想よりも権力が重要であり、共産党に入党したのは権力のためだったのです。実は、鄧小平も似たような発言をしたことがあります。彼の言葉とは、「白猫でも黒猫でもネズミさえ取ってくれればいい猫だ」というものです。この言葉の背後にある意味は、共産主義であろうが資本主義であろうが関係なく、金儲けができればそれが良い党だということです。そのため、鄧小平時代には改革開放が進み、実質的には資本主義が行われていました。ただし、資本主義の特権は共産党の一部の人々にしか与えられていないという側面もあります。

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