南投立法委員補欠選挙・民進党勝利の意義

台湾

本日3月4日に、台湾の中部にある南投県では立法委員の補欠選挙がありました。まず結果から申し上げると、民進党の候補者である51歳の蔡培慧と、国民党の候補者である72歳の林明溱が勝ちました。今回の選挙はどのような意味があるのでしょうか。実は候補者は誰であるかはあまり重要ではありません。しかし民進党が勝ったということには非常に重要な意味があります。なぜかというと、南投県というところは選挙区が第1、第2と2つあるんですけれども、今回は第2選挙区の補欠選挙です。民進党は、南投県でこの新しい選挙制度になってから、第1選挙区にしても第2選挙区にしても、勝利したことがありません。そしてこの数十年以来は南投県の知事選挙も全然勝っていません。2005年以来はみんな国民党政権です。民進党政権になってから、南投県の県知事のポストを民進党が勝ち取ったのはたった1度だけです。それからもう全て負け続けています。

南投県はちょうど台湾の真ん中です。そして台湾で唯一海に面していない県です。台湾では、一番貧しい県です。実は僕を育てたおばあちゃん、母側の祖母は南投県の出身です。僕は南投県が大好きです。南投県は山があって物凄くきれいなところです。温厚な人間が多いです。そして農家が多い。大した産業はないですけれども、主な産業としては農業もしくは観光業です。しかしああゆう素朴なところこそ、本当になぜか国民党が強いです。国民党が強い理由の1つとしては、やっぱり地域の利権構造。素朴な人間ほど買収されやすいという意味もあって、ずっと昔から利権構造はそのままです。民進党はなかなかそれを打破できないんです。しかし今回はこれを勝ち取った。勝ち取ったという意味は民進党の勝利というより、民進党の新しい党首である頼清徳の勝利と言った方が正しいかもしれないです。ご承知のように、民進党は昨年(2022年)の11月26日の統一地方選挙で大敗しました。その解説は何度も台湾ボイスでしています。実は、この選挙はここで終わっているというわけではないんです。その後、12月18日に嘉義市の市長選挙もあり、ここでまた民進党が負けてしまいました。そして、2023年の1月8日に、今度台北市の立法委員の補欠選挙がありました。民進党はまた負けました。それから頼清徳が民進党の主席に就任したのは2023年1月18日です。彼が就任しました。そして今回は彼が党の主席としての初めての選挙戦です。この初めての選挙戦、今日の2023年3月4日に南投県の立法委員選挙で、民進党が勝ちました。実はこの選挙はですね、勝ち負けは国会の中での勢力においてはほとんど影響されないですね。なぜなら今まで民進党はとっくに過半数を取っているわけです。議席は全部で113議席ですけれど、民進党は今までに61議席ありました。そして国民党は38議席ありました。そして今回の選挙によって、民進党は1議席増えて62議席です。国民党は1議席減って37議席。国会の中の構造としては全く変わらない。

全く変わらないのにどういう意味があるか。実は民進党はですね、昨年の統一地方選挙以来、党の支持率、党の勢いがいきなりダウンしたわけです。そして12月の兵役延長という不人気の政策を敢えて打ち出して逆に支持されるようになった。党勢、党の勢いはいくぶん持ち直しました。そして一番最近の2月21日の台湾民意基金会の世論調査では、一番トップなのは国民党で支持率は27.1%です。対する民進党の支持率はですね、26.9%。その差はたった0.2%です。つまりもう互角です。同じぐらいの支持率。しかし明らかに民進党の勢力が回復しつつあるのも事実です。今回の南投県の補欠選挙の一番の意味は、やっぱり党の勢力を持ち直したということ。それが1点目です。2点目はまさに先ほど申し上げたように、南投県は今までずっと国民党の牙城でした。国民党の牙城だったのになんで民進党が勝てたのか。今まで勝てなかった地域である意味民進党にとっては非常に難しい地域です。しかし今回勝った。民進党がなぜ勝ったかというと、一致団結したから。一番の勝利の原因はこうです。今までの選挙は一致団結ではなかったのかというと、そうなんです。

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