日経の反台湾印象操作「台湾、知られざる素顔」を斬る①

台湾

台湾では228事件というのがありました。2月28日となると我々台湾人にとっては一番心の痛む日になります。そして実は日本のビジネスマンがよく読む日本経済新聞。その日本経済新聞は2月28日から台湾に関するシリーズの記事、「台湾、知られざる素顔」というシリーズを連載し始めました。わざわざ2月28日を選んだのか、それは私も知る由がありませんけれども、しかもこの記事は日経新聞の2面です。非常にでかい2面の物凄く目立つところ、ちょうど社説の左側にある記事です。そしてなんとこのテーマは「迫真」です。迫真とは何か。迫真とは真相に迫る。あたかも本当の台湾はこうなんですよ、あんたたちは知らないけれども、迫真=真実はこうなんですと言っているんです。そしてなんとこのテーマ。「それでも中国が好きだ」というテーマです。

僕は最初このテーマを見た時、ヤクザ映画のテーマじゃないかと思いました。なぜかというと、いくら殴られても、蹴られても、お金を取られても、「あんたが好きだよ」とヤクザの愛人のようなセリフです。ところがこれが高倉健のようなヤクザであればその気持ちも分からなくもないですけれども、習近平のようなお腹のでっかいおじさんではちょっと。「それでもあんたが好き」とまるでこれが台湾を代表するかのような見出しです。これは一台湾人からすれば、本当かと思うわけです。もしこの記事が本当だとすれば、今まで台湾ボイスで聞いた話は全部嘘になります。まあ僕としては一々反論するつもりはありません。そもそも僕を見れば分かるんですけれども、体も小さいし肝っ玉も小さいんですよ。喧嘩も下手くそです。喧嘩は大嫌いです。できるだけ喧嘩しないようにする。できるだけ難しいことを避けるようにする。できるだけ人とぶつからないようにする。無難な道を選ぶ。これは僕の今までの生き方ですけれども、あくまでも弱者の知恵といってもいいんですけれども。そんな喧嘩の下手くそな僕でも、これを見て反論しないと、台湾ボイスの皆さんから、「なんで、あんたの言っていることと逆じゃないか」と言われてしまう。今まで3年近く騙されて、ようやく迫真=真相を教えてくれる、日経新聞様が教えてくれました。しかも、台湾人はいくら中国に脅されても、いくら中国に武力侵攻するぞと恫喝されても、「それでも中国が好きだ」と。台湾人はよっぽど中国のことが好きなんでしょうね。

ではこの記事の主張の根拠はどこか。実はこれは1人の人間の口から出た話です。そのまま記事を読んでいると台湾人の50代男性、鄭宗賢の言葉というのが分かります。これは仮名です。「最近まで中国に脅されていた」と。「2010年代、台湾軍で幹部を務めた鄭。退役後は『軍幹部OBのお決まりのルート』(軍関係者)に乗り、中国で商売を得た。台湾軍の情報を中国側に提供できるうちは商売は順調だった。だが次第に行き詰まる。軍を離れ、中国に提供できる情報が減ったからだ。同じ台湾軍に入隊した息子に情報を頼ったが、息子は応じなかった。『用無し』となった鄭に、中国は容赦しない。レストランは当局の嫌がらせで閉鎖に追い込まれた。だが鄭は『それでも中国が好きだ。恨みはない』と振り返る。」これはその鄭という人間の言葉によるものなんです。鄭という人間はこの記事の内容によると今は50代です。それで2010年までは軍の幹部でした。軍の幹部といっても2010年の彼は30代か40そこそこの年代です。幹部といっても、大した幹部ではありません。彼が中国で商売できるのは、台湾の軍の情報を中国側に売るということです。これはちゃんと書いてありました。これがどういう意味かというと、一言で言えばどんな国でもこういう人間がいないわけではない。必ずいます。今のウクライナでも親露派がいるくらいです。しかしああゆう人間は決まって人間のクズです。人間のクズ。つまり売国奴です。国を売ることによって自分の懐が潤うということです。最低の人間です。この最低の人間が言った言葉をあたかも台湾人の代表であるかのように、「それでも中国が好きだ」ということです。日経新聞はなぜわざとこのような見出しをつけるんでしょう。全ての国には泥棒が存在しています。ある泥棒の言い訳は「俺は物を盗まないと生きていけないんだ」と。そうすると、あの国の、「知られざるアメリカ」とか、「知られざるアメリカの真相に迫る」ということで、一番の見出しとしては「俺は盗まなければ生きていけないんだ」という見出しを出したら、この大新聞はたちまちアメリカ政府に抗議されるわけです。なぜかというとああゆう人間のクズの言い訳を、あたかもあの国の全部の代表にする。これは果たして責任のあるマスコミのやっていることなのか。これが日本のビジネスマンが一番よく読んでいる日経新聞のやること。まずこの一言だけでもこの記事の内容はいったいどういう内容か。先ほど申し上げたように、もしこの記事が真実であれば、今まで台湾ボイスで言っていたことは全部嘘になる。だからこの内容は真実ではない。というのは、台湾ボイスではもちろん根拠を出して皆さんに説明しているわけです。根拠なしの僕個人の思いは、酒の場で言うことはあります。しかし台湾ボイスで皆さんにそういう根拠のない話をするのは失礼ではないでしょうか。「それでも中国が好きだ」というのは、まるで台湾人がどんなことをされても、ヤクザの愛人のように「それでもあんたが好きだ」というようなものです。果たして台湾人にとってそれは本当なのか?

これは台湾人自身の調査ではなくて、2020年5月12日のチセンターによる調査です。ピューリサーチセンターは世界的に非常に有名な信頼度の高い調査会社です。ではなぜ2020年のものを出すのか、もっと新しいもの、あるいはもっと以前のものを出せないのかと思うかもしれません。実はこのピューリサーチセンターが台湾人に中国のことを好きか嫌いかという初めての調査をしました。それからこの調査会社は世界19か国に、日本も含めて、中国が好きか嫌いか調査したことがあり、2022年の6月に発表したものがあります。しかしその中に台湾は入っていませんでした。つまり台湾を調査しなかった。そして2020年に初めて台湾を調査しました。だからこれは外国、第三者による台湾人への初めてのアンケート調査です。第三者の調査ですからより客観的なのではないかと思い取り上げました。ではこの調査の発表のレポートのタイトルを見てみましょう。

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