台湾白書・習近平の脅迫状

台湾

台湾ボイスの皆様こんにちは、林建良でございます。

中国政府はですね8月10日に台湾白書を発表しました。台湾白書と言えば年に1回発表して、主に情勢の分析に基づいてこれからの計画などが掲載されます。白書といえば、まともな国であれば白書の中のデータや言っていることは少なくとも現状において、あるいは過去に発生したことにおいて、だいたい信頼できます。例えば、日本の防衛白書は年に1回発表されます。その防衛白書の中に現在の日本の国防の状況、あるいは各国の国防の状況や軍事状況など、これからどういうところに脅威があるのか、どういうところを整備していかなければいけないのか、そのような指摘があるのが白書です。

中国の台湾白書は極めて違います。今回の発表も含めて中国の共産党政権、中華人民共和国ができて以来、この台湾白書が発表したのは今回で3度目です。1回目は1993年、2回目は2000年、3回目は今回の2022年の8月10日になります。この白書が別の国が発表した白書とは随分違うのです。中国の発表したこの台湾白書は、だいたいどのようなタイミングで発表するのか、なぜ22年ぶりにこの台湾白書を発表したのか。実は中国の台湾白書を発表する際には、だいたい中国にとって何らかの危機感をいただいているときです。あるいは台湾が益々中国から離れて行くときだと言えます。そのとき中国政府は台湾白書を発表して牽制します。例えば、1993年の台湾白書された当時の李登輝政権は、台湾の国連加盟運動をやり始めたときでした。もし台湾が国連に加盟できれば主権独立国家として認められるわけですから、中国にとっては一大事です。それを食い止めるために台湾白書を発表しました。2000年はどういう事情があって発表したかと言うと、実は1999年の7月9日に李登輝元総統が二国論を発表したのです。二国論とは台湾と中国との関係は特殊な国と国の関係ということを意味します。つまり我々は中国の一部ではなく立派な国だから、中国との関係は内戦状態ではなくて中国の内部の問題もありません。我々台湾は独立主権国家と主張し始めたから2000年になって中国は台湾発表を発表しました。今回の背景は、まさにアメリカ側の台湾政策は「あいまい戦略」から「明確戦略」に転じつつある台湾の主権国家として認めつつある、完全に認めてはいないけれども台湾を防衛するという大きな流れが元に戻るということは絶対ありえません。だから今回の場合は、ナンシー・ペロシの台湾訪問の流れの一環として中国は軍事演習をやって威嚇して軍事演習が終わってから、この台湾白書を発表したのです。

先ほど申し上げたのは、まともな国であれば白書の中で言っている内容で予想は必ずしも正しいとは限りません。しかし、現状の分析、歴史的事実はだいたい信頼できます。例えば、日本の防衛白書の場合のデータはかなり参考になるものです。しかし中国の台湾白書は全部で13000字となっており、かなり長い文章構成になっています。その長々とした文章を読むのに、かなりの忍耐力が必要です。なぜなら、まず言葉遣いが上品ではありません。そして、今回の白書の中で言いたいことは、たったの三つです。この台湾白書の前面に「台湾問題と新時代中国統一事業」と掲載れており、この名前からでも一つのメッセージがあります。どういうメッセージかというと「新時代」とは今、習近平政権になってからできた専用用語です。習近平新時代〜という新しい時代を作り出したという意味が含まれています。そしてこの「統一」は目標ではなく、事業なのです。事業と目標の違いはというと、事業は具体的に時間、どのぐらいの人員や軍事力を投入して、はっきりとこの計画(青写真)ができているということが、この事業という意味に含まれています。しかし、この13,000字で書かれた白書を我慢して最初から最後まで見ると、主なことは三つのことを伝えていることが確認できます。

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