半導体法案・米中対決の Point of no return

台湾

台湾ボイスの皆様こんにちは、林建良でございます。

ワシントン時間の8月9日にバイデン大統領一つ重要な法案に署名しました。それは半導体法(CHIPS and Science Act:旧Endless Frontier Act)です。台湾ボイスでも一度紹介したことのある法案ですが、この法案の提案者が実は民主党のチャック・シューマー上院議員と共和党のトッド・ヤン議員が共同で提案しています。この法案は2019年から練り続けてようやく8月9日に通ったものです。この法案は極めて大型の内容で1000ページもあります。しかも、この法案に膨大な予算が付いていて、実は2800億ドルの予算がついているのです。この法案は近年アメリカの中で一番重要な法案ではないかと思います。この法案は一体どういうところが重要かと言うと主に4点あるのです。

1点目は、アメリカの競争力を上げることになります。つまりアメリカの体力をつけるということです。名前の通りCHIPS and Scienceは半導体だけではなく、あらゆる先端技術面においても、できるだけアメリカで促進させようという意味があります。アメリカも実は日本と同じように、かつてグロバライゼーションの波で色んな工場が中国に移転しているのです。だからアメリカの製造業は、かなり衰退している状態だと言えます。製造業が衰退すると労働者の仕事が少なくなるだけではなく、技術者も仕事がなくなってしまうのです。例えば、アメリカの理工系の大学を卒業しても、そういう仕事がないという可能性もあります。仕事する工場が全部中国に入っていますから、そうすると理工系の卒業生も結局アメリカの中で仕事が見つかりにくいということになるわけです。だから、1番目は、先端産業を中心とした製造業を復活させるための法案だと言えます。第1はアメリカの競争の体力を作るための法案です。

2番目は中国への依存度を下げるということになります。かつてコロナのときはアメリカの会社が作った医療機器あるいは、マスクや薬などを含めた医療用品がアメリカの中で調達できなくなってしまうのです。全部中国に企業が入っていたためマスクの輸出を禁止しました。中国で生産しているわけですから、本来アメリカの3Mなどの会社の商品だけど、自国では使えないということになります。そうなると例えば、アメリカの医療用品の場合は中国に依存するような形になってしまっているのです。もちろん今回はそういう平坦な製造業ではなく、ハイテクを中心とする製造業ですけど、それでもアメリカの中で使っている半導体は中国で生産しているものも結構あります。最先端の半導体は台湾か韓国で生産しているものが多いです。それほど先端ではないもので例えば287n以上のものであれば、中国で生産しているものの方が多くなります。しかし、アメリカ内部でそれさえも生産できないということで、日本も同じ現象ですけど、かつて半導体大国であった日本・アメリカも結局そういう半導体まで輸入に頼ってしまったから、中国に依存するようなことになるのです。

3番目の理由として、これから中国と対抗していくための法案という意味が含まれています。もちろん中国と対抗するために最初依存したままで対抗することはできませんから、まず中国への依存はできるだけ避けて、あるいはもう依存しなって済むような形が取れて初めて中国と対抗できるわけです。なぜ中国と対抗しなければいけないかというと基本的には中国もアメリカと対抗するつもりであり、これから世界の人類運命共同台を構築していくならアメリカ人の生活様式まで変えてしまおうと思っています。だから当然対抗せざるを得ません。

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