ポンペオ前国務長官・攻めの中国戦略

台湾

台湾ボイスの皆様こんにちは。林建良でございます。

ポンペオ前国務長官が9月26日にまた台湾に訪問しに来ました。彼は実は今年の3月にも一度台湾に訪問しています。半年以内にもう一度台湾に行くというのは、一体どんな重要な理由があるのでしょうか。実は名目としては台湾の一番南の大都市である高雄で開かれる二つの会議に参加するためです。9月27日に高雄で開かれるGlobal Taiwan Business Forumに参加しました。頼清徳副総統も参加しているんですけれども、参加人数は約300名で、主な参加者は企業家や政治家、評論家、あるいは経済学者などです。その翌日の9月28日、世界台湾商会総会に参加しました。世界台湾商会には4万社の台湾企業が加入しています。総会に参加した企業家は800名。この総会には蔡英文総統も出席していました。しかしこの2つの会議でスピーチをするために半年以内にまた台湾に行き、しかも今アメリカの政治日程は結構忙しい時期です。こんな忙しい時期に台湾に単にスピーチをしに行くというのはちょっと考えにくいです。スピーチするだけなら今の時代であれば、オンラインでもできるのではないでしょうか。しかし彼はあえて台湾を訪問しました。しかも今回の場合は、台北ではなくて高雄と台南に限ります。つまり、南台湾です。南台湾に限定して彼は台湾に再び訪問しに行ったんです。しかも、その滞在時間は比較的に少し長いものでした。

この目的を説明する前にまず一つのことを皆さんとシェアします。我々はよく目的と手段を混同してしまう場合があります。例えば私は政治家になりたいとします。それはまるで目的のような考えです。一生懸命に選挙に参加して政治家になって国会議員あるいは総理になった。もうそれで人生の目的達成という感じで頑張っている場合もあります。普通の人間もそうですが、金を稼ぎたいとかです。つまり、お金稼ぎが目的になっているということ。しかしこれは目的と手段の混同なんです。なぜかというと、政治家になりたいというよりは何のために政治家になりたいか。あるいはお金を稼ぎたい、社長になりたい。何のためにお金を稼ぎたいのか、そのお金があったら何に使うか、社長になったらどんなことをやりたいのか。そこが目的なんです。社長というのはあくまでも手段に過ぎない。一つのポストというのは手段に過ぎないのです。このポストを経てから何をやりたいのかが大切です。

ではポンペオ前国務長官のやりたいこととは一体何か。そしてそれと今回の南台湾への訪問は一体どういう関連性があるかを皆さんと一緒に考えてみたいです。僕から見ればポンペオ前国務長官は恐らくトランプ政権のこの4年間で一つ非常に大きなことに気づきました。それは中国の存在、そして中国共産党の存在によって全世界にもたらした危害、中国の危険性です。彼はトランプ政権の4年間の中で1年間CIAの長官をして3年間の国務長官をしました。その中で中国情報を目にして、中国といろんな交渉をしていく中で中国問題の深刻さによく気付いたのだと思います。そしてその中に一人の非常に重要な人物がいたんです。どういう重要な人物かというと、彼の中国政策のブレーンである余茂春さんです。余茂春は中国の出身で、もともとアメリカの海軍大学校の教授でした。彼は中国人だから、中国のことは非常に深く知ってるわけです。中国人の弱点も長所も短所もよく知っている。そして、中国共産党の弱点も凶暴さもよく知ってる一人の人間です。そんな余茂春とペアを組んで中国問題に取り組んできたこの3年間が彼には非常に大きな影響をもたらしたと思います。結論からすれば恐らく彼はまだ50代なんですけれども、60前のポンペオ前国務長官のライフワークとしてこの中国問題に取り組んでいくのではないかと思います。なぜなら、今の世界中の一番大きな問題といえば、やっぱり中国です。コロナも中国発だし、いろいろな地域の不安や軍拡、全世界での秩序の乱れもほぼ全部中国と関係しています。環境問題も含めてです。ですから中国にメスを入れなければ世界の問題は解決できない。恐らくそれが彼の目的ではないかと僕は想像します。何の根拠もなく想像するのはいかがなものだと言われそうなんですけども、実は彼がまだ国務長官の在任中の2021年7月23日、カリフォルニア州ニクソン図書館で歴史的演説をしました。その時、彼は「もし我々が中国共産党を変えなければ、我々が中国共産党によって変えられてしまう」と言いました。中国共産党を崩壊させなければ、民主・自由・人権を大切にする今の生活パターンが全部中国によって壊されてしまうというものすごい危機感を持っているわけです。そのときからの言動、中国に対する厳しい姿勢。そして彼現在、ハドソン研究所に所属しています。ハドソン研究所に入っても、同じくこの余茂春とペアを組んで、5月に同研究所内のチャイナセンターを立ち上げたんです。つまり、「これから中国問題に取り組んでいこう」と口で言うだけでなく、実際に行動で示しているわけです。

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