蔡英文総統国慶節演説・強靭な台湾を作り上げる

台湾

台湾ボイスの皆様、こんにちは。林建良です。

本日は10月10日で、いわゆる双十節です。双十節とは中華民国の国慶節ですね。つまり、中華民国の建国記念日です。では中華民国はいつごろ建国したか。1911年の辛亥革命が発生した日を建国記念日としているわけです。つまり、清朝を倒して中華民国を建国するということです。しかしその時は台湾とどういう関係があるのか。1911年の時の台湾は日本の領土でした。つまり、これは遠い中国で発生した出来事であって、台湾とは何の関係もなかったわけです。その時の台湾人は自分で国を作ろうという考えも恐らくなかったと思います。しかも中華民国は建国の翌年に日本と国交を結びました。もちろん台湾は日本の領土でであるということを中華民国も認めていたわけです。しかし、なぜ我が台湾ではいまだに中華民国の建国記念日を自分の国慶節にしているのでしょうか。1945年に台湾は中華民国に委託管理されました。自分で台湾は我が中華民国の領土だと勝手に宣言したわけです。もちろんこの件においては国際社会も台湾人も決してこの中華民国の言い分に納得してはいないわけです。中華民国は1949年に中華人民共和国にによって追い出されて台湾に逃げてきました。台湾に逃げてきて、そのまま居座って、今日に至るまで居座ったんです。台湾独立建国連盟の一番最初の目標であり今でも変わらないものですけども、それは中華民国を打倒する、そして台湾共和国を作るというのが、我が台湾独立建国連盟の目標です。その60年前から今日に至るまで、いささかも変わっていないです。

1986年にできた民進党、民主進歩党、現在の台湾の与党なんですけども、実は我々とほぼ同じような方針で党を作りました。そして党の綱領の中にも台湾を独立させるとちゃんと謳ってあったんです。ところがこの民進党は2000年に初めて政権を取って、8年間の政権運営をして、2016年に再び政権を取ったわけです。ところが、民進党政権になって、本来台湾を独立させるという党は、結局は中華民国政権を乗っ取ってしまったんです。乗っ取ってしまったなら、そもそも「この(中華民国)体制をぶっ壊す」という方針で乗り込んだわけですから、ぶっ壊せばいいんじゃないか、となります。その方が一番すっきりします。しかし一番の問題があります。中国はどうせ台湾にとっていいことであれば全て反対ですから、それは無視をしてもいいんです。ところがアメリカの意見は無視できないわけです。アメリカの意見としてはstatus quo、つまり現状維持しろということです。要は、この中華民国体制をいじるなということです。アメリカ本来は中華民国に台湾を委託管理をさせてもいいと思っているけれども、領土を編入していいとは考えていないわけです。しかし、国際社会の現実によって、アメリカももし台湾が独立宣言したら、やはり台湾と中国が戦争することになり、アメリカが関わらざるを得なくなります。それはどうしても避けたいっていうことで、アメリカ側も台湾の事実上の独立を支持するんですけれども、法理上の独立、つまりde jure(デ・ジュリ:法律上の)の独立は反対してるわけです。日本も一緒です。そういうわけで台湾は日本やアメリカの意見を無視できないわけです。だから中華民国というのをそのまま名乗っていくのは、この中華民国体制を維持することは、やっぱり民進党としては忸怩たる思いをしているわけです。だから、できればこの中華民国という色を薄めて、台湾の方へ持って行こうということなんです。

例えば一番最新のパスポートの表紙です。パスポートの表紙は中華民国という文字が入っていて、その下にTAIWANとローマ字で入っています。これは僕が2000年ぐらいからずっと主張していて、ようやく聞いてくれた意見です。しかし、実はTAIWANも入っていて、英語の中華民国、つまりREPUBLIC OF CHINAも入っていたんです。そうなると、どんな人が見ても、CHINAがあってTAIWANがある。TAIWANはCHINAの一部なんだと、台湾人が自ら主張しているようなものです。そして蔡英文政権になって、ようやくそのパスポートを変更して、そのREPUBLIC OF CHINAが虫眼鏡で見なければ分からないように、ものすごく小さくしたんです。それならまあ、何となくちょっと我慢はできます。なぜかというと、漢字を読める西洋人はほぼいないです。ですから「中華民国」という漢字は彼らからすれば、どういう意味か分からないわけです。しかし、でかでかとTAIWANのローマ字があって、ああTAIWANという国からやって来たと分かるわけですね。つまり、このような小手先と言われてもしょうがないですけれども、一歩一歩、全部の体制とは直接関係はないけれども、シンボリックに中華民国から台湾の方へ移行していく。そこで一番気を遣うのは中国ではないですよね。アメリカです。アメリカに怒られないように、台湾の色をできるだけ全面的に出していく。今回も実はそうなんです。今回も中華民国国慶節と漢字でこういうふうに書くんです。アメリカ人はほとんど分からないんですけどもで、下はTaiwan National Dayなんです。こREPUBLIC OF CHINA NATIONAL DAYではないんです。漢字の分からない外国人から見ると、ああ、これは台湾の国慶節だということになるわけです。もちろん台湾は独立宣言をしていないです。建国したかと言われればまだしていないです。まそれは我々の台湾独立建国聯盟の責任でもあるんですけれども、現在の状況では、このようなことしかできないわけです。しかし、このようなことでもそれなりの意味があります。要は一歩前進と言ってもいいです。

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