速報:台湾地方統一選挙について

台湾

台湾ボイスの皆様こんにちは、林建良でございます。
2022年11月26日に台湾で統一地方選が行われました。この統一地方選というのを台湾では「951」と言います。その意味は九つの選挙を一緒にやるということです。九つの選挙とは22の市・県で行なわれる市長選挙あるいは県知事選挙のほか、市会議員の選挙あるいは県会議員の選挙、あるいは村(台湾ではゴーチンと言う)の組長選挙、日本で言う市町村の議員の地方代表の選挙、自治会の会長選挙のようなものもあり、合わせて全部で1万1000のポストの選挙が行なわれます。今回の選挙の結果を概ね判明されている状態で皆様に紹介したいと思います。結論から言えば与党の民進党は大敗し、国民党が大勝利を収めたのです。どのくらいの差で負けたかというと、今までは例えば、全部で22の県と市の中に民進党は今回の選挙までには七つの県と市の組長の選挙を勝ち取っていました。それ以外で国民党は15、民衆党は1で今回の選挙の結果は、現時点でまだ完全に開票が終わっていませんが、わかっているところでは例えば、六つの直轄市で首都の台北市、新北市、桃園市、台内市、高雄市、それから僕の故郷である台中市で、これらの都市は人口が多くて予算の多いところです。しかも、直轄市の市長が行政院の閣僚会議に参加できるという身分ですけど、大きな権限を持っていて、かなりの予算があります。この六つの直轄市の中に元々国民党が勝ち取っているのは台中市と新北市だけです。台北市は民衆党が勝ち取っています。そして、民進党が獲得しているのは桃園市、台南市、高雄市の三つです。今回の選挙の結果は元々勝てる台北市が今回三つ巴になっているわけですけども、台北市が負けました。新北市も大負けになったのです。もともと2期8年担当していて、当時の評判も良かった桃園市の市長である鄭文燦(ていぶんさん)の後継者であるテイブンホウが今回立候補したのですが、それも国民党候補に負けました。台中市で国民党は再選ですけど、民進党は現在の立法院の副委員長である蔡其昌(さいきしょう)を立てましたが負けました。結局その六つの直下市の中で一つ失われて残りは二つだけとなったのです。それ以外のところはどうなるかというと、例えば、基隆(きいるん)は元々民進党の政権だったのですが、今回も負けました。台湾のシリコンバレーのようなところ でハイテクパークのある半導体の中心地である新竹市も、元々民進党の政権だったのですが今回も負けています。

全体的に言えば、本当に信じられないほどの負けを重ねてしまいました。なぜ信じられないかというと、蔡英文政権そのものは物凄く高い支持率を維持していたのです。2期目になっても支持率は50%を超えているのは非常に異例なことでした。しかし、蔡英文総統本人の支持率は50%を超えていて、経済の成長率も非常に良い状態です。2022年の国民所得はおそらく初めて日本と韓国を抜いて高くなりました。ある意味で全体的に非常に経済が良くて、支持率も高くて負ける要素は基本的に殆どなかったのですが、負けてしまったのには理由が二つあります。最大の理由は、今回の人選を推薦する際に今まで民進党の中の伝統としては必ず予備選挙をやって内部で戦わせて一番強い人間を立候補させていたけど、それが全て良いということではないということが関係しています。なぜなら予備選挙の中で同じ民進党同士で戦うわけですから、その予備選挙の中で様々な揉め事があって、今度は本選挙に入る前に戦った相手とそれなりのわだかまりが残ってしまうので、それを排除するために今回の人選は実質的に蔡英文総統に一任したのです。その部分が物凄く裏目に出てしまいました。なぜ裏目に出たと言えるのかというと、蔡英文総統は外交と国防の分野は非常に優れた指導力・判断力を持っています。しかし、蔡英文総統の一番苦手な部分とは党内の権力の分配・派閥及び勢力のことに関して、あるいは地方勢力・派閥のことに関しては無関心なのです。地方選挙の場合は地方の派閥・勢力・利益分配にある程度精通しなければ、それを立てる人間は地方の事情をわかったうえで立てなければいけないのに、蔡英文は無視して自分の人選を無理やり押し付けたという部分がありました。

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