台湾を国際孤児から国際舞台の中心にしたペロシ議長訪台

台湾

A:藤井厳喜様
B:林建良様

A:今日の Bセクションに入りたいと思います。台湾も国際孤児から国際舞台の中心にしたペロシ議長訪台の話をしてもらいます。これはチャイナの恫喝が全く効かなかったということと、それから台湾にいて私が興味を持っていたのは国民党の反応です。これがまた面白かったのは分裂していた反応を示したと思うのですが、その辺りに着目してお話をお願いいたします。

B:このセクションは、まず3点に分けて話をしたいと思います。
一つは台湾の内部の反応、もちろん国民党も含めてです。もう一つは国際社会の台湾をめぐる反応という話をします。3点目は国際世論がどういうふうに動いているかっていう反応、これらの3点です。
この台湾内部の反応に関して僕からの観察というより具体的なデータを提示したいと思います。そのあとは、いくつかの台湾で少なくとも三つの世論調査があるのですが、最初は中華民意研究協会という世論調査で8月8日に調査されました。それから8月16日に台湾民意基金会による調査、最新のものは 8月18日の国防安全研究員の調査という三つの調査はともに「ナンシー・ペロシーの台湾訪問について、あなたはどう思うか?」という内容の反応です。実はこの三つの調査でも過半数はナンシー・ペロシーの台湾訪問を歓迎するということで台湾にとって良かったと思っています。もちろん、これは全国民対象ですから国民党の支持者も含めての調査です。しかし、この三つの世論調査に一つの良くないところ(盲点)があって、日本の世論調査も同じかもしれませんけれども、なぜかというと世論調査は基本的に電話はですよね。これは日本でも台湾でも同じですが、電話による世論調査は殆ど固定電話で行なわれます。もちろん世論調査の中に年齢別(20代30代40代)というのがあって、若者も入っています。しかし、若者の行動パターンを見ていると、普通の正常な若者は固定電話を持ちません。あるいは固定電話に出ないということが普通です。なぜなら若者は基本的に携帯電話を使うからです。この世論調査の中に、確かに20代30代という若者も入っていますが固定電話しか使わない若者は変わり者だと思います。日本の世論調査も同じですけど、基本的に固定電話の世論調査は信じてはいけないということをここで指摘したいです。

A:それは正しいです。

B:安倍の国葬反対とか全て固定電話の調査ですから、それは社会の中で変わっている存在と言えます。変わっている存在をあたかも主流意見であるかのように解釈することは世論調査解釈そのものの前提から間違っているということです。だから世論調査を鵜呑みにしてはいけません。
だからこそ例えば、この前の四つのテーマの国民投票は直前までの世論調査は全て国民党に有利になっています。アメリカの豚肉反対・輸入反対とか天然ガスの設置反対とか、国民投票で一緒にしなければいけません。全て国民党よりのテーマの支持者の方が多いです。しかも、その差は1ポイント2ポイントではなく、20ポイント30ポイント、下手すると40 ポイントくらいの差が付きます。蓋を開けてみると国民党が全敗です。だから、これは何を意味しているかというと投票行為(世論調査)のロット数というのはせいぜい数千じゃないですか。だから数千人の世論調査によって「国民がこのように思っている」と解釈してはいけません。つまり、ロット数の1番多い世論調査とは投票です。投票行為こそ、1番真の民意に近くなります。もちろん100%の民意というものは世の中に知りうる術はありません。しかし、少なくとも1番真実の民意に近いのは投票行為であり世論調査ではないです。
それでもこの中で、より1番真実に近い世論を見分けるために少なくとも僕の意見としては、この世論調査の中に携帯電話のロット数が入っているかどうかということを見なければいけません。日本の産経新聞、日経新聞、通信社などで世論調査をやっているところに携帯電話の対象者は入っていますかというのをまず聞かないといけないです。固定電話だけでいたら、これは参考に値しません。先ほど申し上げた三つの機構の中で唯一携帯電話を用いた世論調査は1番近い国防安全研究員の調査は携帯電話も使用しています。固定電話は753名を対象にし、そして322名は携帯電話を対象の方です。少なくとも全体の3分の1は携帯電話による調査ということで、全てが固定電話というより多少は信頼できます。1番いいのは少なくとも50対50です。今はお年寄りでも携帯電話を持ってるわけですから100% 携帯電話にすべきだと僕は思っています。その中で少なくとも携帯電話による世論調査のあるデータの方が信憑性が高いということです。その中にナンシー・ペロシの台湾訪問について賛成した人間は全ての国民の中で6割を超えていました。

その内訳を見ていると緑陣営ほど賛成なのです。緑陣営とは台湾人意識の陣営のことを意味します。台湾の独立意識の強い人間です。緑陣営に限ってみると、なんと91%のナンシ・ペロシーの台湾訪問が良かったと答えています。しかも若い人間ほど支持するのです。これはもう全然おかしくありません。
台湾では若い人間ほど台湾人意識・台湾独立意識が強いわけですから、そして同時に8月18日といえば中国の軍事演習の後の世論調査なので当然、台湾の軍・国防意識に関しても調査しています。その中に台湾軍が国を守れるかという質問がありました。なんと6割以上が台湾軍に信頼があると、台湾の軍だけで台湾を守れると答えているのです。これも同じように若い台湾人ほど台湾の軍の支持率が高くなっています。この現象は日本に似ていて、今の日本は60代以上の世代が1番駄目ですけど、若い世代ほど非常に愛国心が強いです。
そして3番目の質問について台湾の国家安全に関しては何が重要なのか?1番取り上げられるのは台湾の戦力増強が最重要と答えたのは51%でした。これも緑陣営に限ると更に上がります。これも若い人間ほど、この答えが挙がっています。そして2番目にとして強いのは中国との友好と答えたのは23%です。これはほぼ国民党の支持者と言えます。3番目になるのはアメリカとの同盟関係が18%という結果が出ています。台湾の世論調査だけで見れば、一つのことがわかるのですが、台湾人はアメリカの軍事力に頼りきっているということは、錯覚です。台湾人は決してそうではありません。少なくとも過半数の台湾人は自分のことを自分で守るべきだということを答えています。それが緑陣営に限るとさらに高い割合として出ているのです。
台湾意識の強い人間は台湾の防衛をアメリカに任せる考えは、基本的には持っていません。台湾の独立意識の高い人間のほど、台湾の防衛意識も強いです。自分のことを自分で守るという意識も強いということになります。だからアメリカとの協力関係が重要だと考えているのは、実は全ての中で18%でした。結構少ない割合だと感じますが、今回の中国の軍事演習は怖いかということを尋ねています。あなたは心配しているのかということを台湾民意基金会の世論調査の結果ですが、国民党も含めて78%の台湾人は全然怖くないと考えているのです。

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