三つ巴の台北市長選・その行方と影響

台湾

台湾ボイスの皆様、こんにちは、林建良でございます。

11月の26日に、台湾の統一地方選挙があります。台湾の大きな選挙は実は、大体2年ごとにあります。地方選挙、そして国政選挙です。例えば、2020年は総統選挙と国会議員の選挙があって、今年2022年は統一地方選挙があります。台湾の統一地方選挙は、上は市長からあるいは県知事、それから市会議員、村会議員で、一番下の議長(日本で言えば知事会の会長みたいなものです)、上から下までは全部で9種類の選挙を一緒にやるわけですね。その統一地方選はある意味で、中間選挙的なものなんですね。「中間選挙的」といって中間選挙ではないというのは、アメリカの中間選挙は2年に一度行われ、全て国政選挙です。もちろん、州知事の選挙も一部一緒にやるんですけれども、基本的には2年ごとに国政選挙があるのです。もちろん、大統領選挙は4年に一度なんですけども。しかし、台湾の場合は国政選挙、そして地方選挙は別々なんですけれども、地方選挙がなぜ中間選挙的かというと、やはり国政政権与党は支持率がよくないと、やっぱり地方選挙にも響いてしまうんですね。しかし、地方選挙と国政選挙はどう違うかといえば、特に台湾の地方選挙の場合は、やはり地方の人脈とか利権がかなり絡んでいるんです。ですから国民党は、国政選挙には勝てないんですけれども、地方選挙にはやっぱり強いのです。長年の地方利権のがんじがらめがあるからなんです。そして、台湾の地方選挙はですね。今までずっと「金銭と暴力」がつきまとってまとってきました。そしてこの面においては、国民党の方が得意なんです。だから今でも地方選挙の場合は、例えば地方の議員は、基本的に圧倒的に国民党の方が多数なんです。だから、地方の議会もほとんど国民党が占めているわけです。地方議会の議長や副議長などのポストはほとんど国民党が占拠しているんです。

しかし1カ所だけちょっと例外があるんです。どんなところかというと、台北市です。台北市の市長選挙は、他の別のところの市長選挙とはやっぱりちょっと違うんですね。なぜ違うかというと、第1に、台北市は、やっぱり首都なので代表的な意味があるんですね。象徴的意味があるんです。2番目はですね、台北市はやっぱり買収しにくいんですね。「暴力と金銭」の要素が薄いんです。しかしながら、それでも民進党はなかなか勝てないんですね。実は民進党が最後に台北市の市長選に勝ったのは、1994年だったんです。それからずっと勝っていません。

今回の、台北市の市長選は一体どのように展開していくのかというと、その台北市の市長選の候補者から、ちょっと紹介してみたいと思います。まず、民進党の候補者はですね。陳時中(ちんじちゅう)ですね。今年68歳ですね。民進党党籍で彼はですね。実は前台湾の衛生福利部の部長だったんです。つまり、閣僚です。なぜ立候補できたかというと、コロナの疫病対策の責任者だったんです。そして、2020年の時にちょうどコロナが流行り始めて、台湾の疫病対策は非常に評価されたんですね。台湾の中でも彼のことは非常に高く評価されていました。その当時の彼の支持率は、2020年の時になんと90%を超えたんですね。これはもう信じられないほど高い支持率で、彼のイメージとしては、防疫対策の指揮官だったんです。
対する国民党側の候補は誰かというと、蔣万安(しょうばんあん)ですね。蔣万安は今年43歳で、今現在、国民党の国会議員の2期目をやっている人物です。台湾では国会議員をやりながら市長選挙にも出られるので、辞めなくてもいいんです。彼の特色とは何かというと、「蒋介石のひ孫?」ということです。なぜクエスチョンマークがついているかっていうと、実はこの人の名字は、最初は「蒋」ではなかったんですね。蒋介石の蒋ではなく、文章の章だったんです。

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