藤井:日台関係には良い過去があって、現在があり、これから未来に向かって歩みを進めていきます。
謝:そうですね。
藤井:大使は現場で多くの日本人とも交流されてきたと思いますが、一緒に未来に歩みを進めていく際に我々にはどんな課題があって、どんなふうにやっていけばいいのかというところをお話ししていただけると助かります。課題の一つとして、先ほど話に出てきた安全保障に関する問題が挙げられると思います。これは政府間の関係にしなければいけないということをおっしゃっていただきましたが、我々民間も有権者として政治家に「台湾に対する認識を深めてくれ」とお願いすることはできると考えています。その点は大いに広めていきたい。それから、このあいだ京都の女子高生がオレンジの悪魔ということで注目を集めました。
謝:京都橘高校。
藤井:橘高校のマーチングバンドは国内でも有名です。
謝:有名ですね。
藤井:彼女たちが台湾に行って、こんなに人気があるのかと私は驚きました。そしてこういう若い人たちの交流を見ていて、将来性を感じました。誰も計画していなかったことだろうと思いますが、蔡英文総統もパレードに出てこられ、応援してくださる姿を拝見しました。日台関係ではこういうことが起きるんですね。非常にうれしかったです。
謝:そうですね。この前の日華懇の会合のときに私は国会に参りました。そこで日華懇の古屋先生に国慶節のパレードのことについて「ネットの視聴率が高い」とお話しさせていただきました。
林:視聴率、高いですよね。
謝:しかし台北第1女子【※加筆】は2位です。1位は橘高校です。わははは。
林:わははは。そうですね。
謝:私は「若い女性に負けるのは恥ずかしいことじゃない」と古屋先生に言いました。
藤井:なるほど。
謝:あれは確かにパフォーマンスが素晴らしい。もちろんコロナ禍の3年間は国慶節のパレードが中止されたため、初めて見に来られるようなご両親や親戚などがたくさん集まりました。すごく興奮している様子が見られ、みんなの拍手がすごかったです。
林:そうですね。
藤井:私がすごくいいなと思ったのは、日本とオーストラリアが何十年も続けてきたワーキングホリデーです。日本の若い人たちが旅行に行って1年ぐらい旅先で働くという制度です。オーストラリアの若者も日本にたくさん来ています。これが日本とオーストラリアの関係を強めていると考えていて、私にもオーストラリアに住んでいる知り合いがいますが、その方はワーキングホリデーの制度を使ってオーストラリアで働いているうちに好きになって、向こうの国籍を取られたという人です。そんなことが日本と台湾のあいだでもできたらいいんじゃないかと思っています。
謝:いやいや、台湾と日本のワーキングホリデーはありますよ。
藤井:今はありますか。
林:あります。
謝:今は台湾を訪れる日本の若い人たちが増えています。
藤井:増えていますか。
謝:台湾留学は比較的に費用が少ないからだと思います。
林:安いですよ。
謝:台湾留学、安いね。今は台湾のあちこちの大学も留学生に奨学金を出しています。
林:このあいだ、安倍晋三友の会は日本人の学生21名に年間100万円の奨学金を出しました。
藤井:あー。21名ですか。それはすごい。
謝:そういう制度がだんだん増えています。
藤井:日台の学生がもっと交流すれば、もっともっとおもしろくなるかもしれません。
謝:おもしろいと思います。日本語を話せる世代は年を取り、言葉はだんだん忘れられています。だから言葉の面では昔の人にくらべ、若い人たちは少し不便があるかもしれません。しかしながら彼らは新しい世界観を持っています。そういう交流を通じて日台の理解を深めることはとても大事だと考えています。若い人たちには見込みがありますよ。我々の希望ですからね。
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