台湾はより危険になったのか

台湾

台湾ボイスの皆様こんにちは、林建良でございます。
第20回共産党大会の閉会の日に習近平が彼の前任者である胡錦濤前主席を強制的に退場させた一幕は、世界中の全ての中国関係の専門家が、このシーンについて様々論評を出しているのですけど、その中で一つの非常に大きな印象があります。習近平は、より狂犬的・狂暴的になっていくでしょう。今までの先輩とか、さらに胡錦濤は1人の人間だけではなくて、彼の背後には沢山の支持勢力が存在するわけですが、それさえも無視できるくらい、権力が集中しているということです。そうなると、台湾の方は益々危険になって、武力侵攻が近くなるのではないかという観測がほとんどなのです。実際、アメリカの国務長官のプリンケンが、このような発言をしています。台湾の併合が加速しており、さらにアメリカの海軍作戦部長でマイク・ギルテンも同じような発言をしているのです。つまり戦争が非常に近づいてきているという観測をしています。しかし、本当にそうなのかというと、台湾の方が今回のことによって、第20回共産党大会の後は、台湾の方がより危険になっているのかと言うと、これは他方面から判断しなければいけません。しかし、アメリカ側からの判断だと危険になったということですから、益々牽制をしないといけない、あるいは、そのために準備しなければならないということになっているのですしかし、台湾側の立場からすれば、今までは台湾が1人でいじめられていました。誰からも見えないところで、いじめられていたり、あるいは見えないところで強盗に遭ったりしています。今度は、みんなが見ているところに強盗がやってくるのです。だから、みんなが見えないところで、強盗と会った方が危険なのか、この理屈は明らかにみんなが「危ないよ」と言っているときに、その方がより安全だということになります。

確かに習近平の権力は、益々集中してくるでしょう。そして、習近平は戦争を発動しやすくなります。今までの憲政勢力は違う意見を言う人間で待ったをかける歯止め役は、基本的に殆ど存在しなくなりました。だから、習近平の一存で戦争が発動できるようになったというのが事実です。しかし、習近平が戦争を発動したいというのと、戦争が発動できるというのは別の問題であると言えます。つまり、習近平が戦争を発動する意欲は常にあって、恐らく10年前からあります。しかし、果たして戦争を発動できるかどうかは、未だにその自信がないと思います。台湾における戦争の脅威というのは、習近平の権力が集中しているか否か関係なく、戦争の脅威がずっと存在しているのです。たとえ比較的には穏和に見える胡錦濤の時代であっても、戦争の脅威が常に存在していました。中国は決して台湾への武力侵攻は、毛沢東時代から1度たりとも放棄したことはありません。だから、中国がそのまま存在している限り、台湾が戦争の脅威にさらされる運命であり宿命ということです。この宿命は半永久的に付き合っていかないといけないでしょう。それでも指導者の状況変化によって、より戦争の危険性が高まってくるとか、あるいは戦争の可能性が遠ざかるというのは、あります。どのように台湾の戦争のタイミングが果たして、本当に近づいてきているのかというのは勿論、アメリカ側は多数の情報を持っているわけですから、米国政府当局あるいは軍当局の判断では、やはり戦争が近づいてきていると言っているのです。だからこそ、これから武器を台湾と共同生産をするということになります。なぜなら、武器の供給が間に合わないから、武器の在庫が足りないからです。だから、台湾と一種に生産しないと間に合わないから、切羽詰まっている状態と言えます。

一方でアメリカにとっては、これも一つのチャンスです。どういうチャンスかというと、まさに軍事増強の口実になります。そして、この機会を利用して中国に牽制するという手もあるのです。例えば、10月24日のアメリカの空軍大学に所属している研究所があります。それはChina Aerospace Started Institute:中国航空宇宙研究所と言って、アメリカの空軍大学に所属している研究所です。この研究所は10月24日に、ある情報を発表しました。その情報は中国の全てのミサイル部隊の全部の基地の詳細な情報を公開したのです。中国のロケット部隊(旧第二歩兵部隊)が、習近平政権になって2015年に独立して「ロケット部隊」という名前にして、直接的な中央軍事委員会の管理下にしています。そのロケット部隊の基地は中国において全部で九つあるのです。その九つの基地のうち、七つの基地は、実際にミサイルの配備や発射をしています。もちろん核ミサイルも含めて、短距離・中距離・長距離ミサイル、全てのミサイルがあるのです。残り二つの基地は後方支援部隊というロジスティック部隊ですが、その場所が詳細にどのような住所にあるという形で記載されて公開されています。そして、これらの部隊全部で17万人いるのですけど、その中の主要幹部の個人資料も公開しました。要するに顔写真や氏名とか、あるいは、部隊の番号とかも含まれています。これがどのくらいの資料かというと、全部で255ページのものです。非常に莫大な資料を公開しました。これは大事です。なぜなら、そこまでの資料を集められるのは絶対に国家レベルの情報当局だけです。しかも、その情報は軍事衛星を使った情報収集でなければ、それはできません。実は台湾の軍も中国の情報収集は、恐らく世界の中でもトップクラスですけど、台湾の国防部長である邱国正も、この資料はかなり正しいと評価しています。アメリカの空軍大学で発表したものは、当然アメリカの軍の了承がなければ、発表できません。この発表は、明らかな牽制であり、威嚇です。お前のところはどんな場所で、どういう物があるのか、どのような移動手段を持っているのか、全部把握していると言っているようなものです。

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